赤ちゃんの成長過程に必要な成分
ラクトフェリンは母乳に含まれている成分で、赤ちゃんの健康維持のためには重要なものです。
特に出産後から数日間の初乳には高濃度の成分が含まれています。
また、もともと人の体内(唾液や涙、鼻水など)にもラクトフェリンが含まれていて、外から侵入してきたウィルスから身体を守ってくれています。
ラクトフェリンには、免疫機能を向上させ、抗菌、抗ウィルス効果、腸内で鉄の吸収率を上げてくれる効果、炎症を押させる効果などがありますので、赤ちゃんの成長過程には欠かすことの出来ない有効効果や作用があります。
生まれる前の赤ちゃんは、お母さんのお腹の中で外のウイルスや菌から守られていました。しかし、お腹の外の世界に出た途端に、様々な病原菌やウィルスに触れることになります。
しかも、赤ちゃんは何でも口にしてしまうので、お母さん、お父さんは心配で目が離せません。
しかし、体内ではしっかりラクトフェリンが赤ちゃんを守り、抗菌・抗ウィルス効果によって、病気に感染しにくくしてくれます。
ラクトフェリンは、赤ちゃんが元気に成長できるようにと、お母さんが1番最初にあげられるプレゼントなのです。
子供の免疫力を上げる効果があります
ラクトフェリンには子供の免疫力を上げる効果があります。
母乳に含まれるラクトフェリンは腸に届くことによって腸内環境を整えることが出来ます。
腸には全身の7割の免疫細胞が存在しますので、そうすることでNK細胞の働きを活発化させることができ、子供の病原菌に対する抵抗力が高まり、免疫力アップにつながるのです。
NK細胞とは、免疫細胞の1つ。ウィルス感染や細胞がガン化した場合など、体内で異常な細胞が現れた時に、防衛として悪い細胞を攻撃してくれます。
乳幼児は免疫が未発達な状態であるため、生後三か月ぐらい経つと様々な予防接種を打たなくてはなりません。
こんな小さな赤ちゃんに注射を打たせるのはかわいそうな気もしますが、様々な感染症にかからない予防策として必要なことです。
しかし、これだけでは安心はできません。予防接種を打っていない病原菌に関しては、やはりお母さんから貰った母乳に含まれる免疫力が頼りになります。
授乳期間は出来るだけ長く
最近は授乳期間を早く切り上げる傾向があるようです。
働くママが増えたことや授乳時の負担などが背景にあるかもしれませんが、ユニセフや世界保健機構では授乳期間は出来るだけ長く、2歳を過ぎてもあげた方がよいと推奨しています。
米国の研究機関によれば授乳期間が長いほど知能や言語能力が高くなるというデータがありますので、ママの負担にならなければ授乳期間は出来るだけ長い方がお子さんの成長によい結果を与えることになるでしょう。
ところで授乳期間によって母乳の成分にも変化があることをご存じでしょうか。
初乳は産後一週間ぐらいの乳で、栄養価が最も高くラクトフェリン濃度も高いため、飲む予防接種と言っても過言ではありません。
ちなみにこの初乳には、胎便を早く出す効果もあります。
胎便が出るのが遅くなると黄疸の症状が出やすいので、出来るだけ初乳はあげましょう。
次に産後一週間経過すると移行乳になります。
母乳の量が増えるのですが、ラクトフェリン量は減少していきます。
しかし、免疫効果は続いていますので、出来るだけ授乳は続けていきましょう。
そして、産後二週間ぐらいから成乳になります。
免疫効果のある成分量は次第に少なくなっていきますが、離乳食が始まる頃になると、今度は赤ちゃん自身が自分の力で少しずつ免疫機能を備えていきます。
授乳期も赤ちゃんにとっては身体の基本が作られる重要な成長過程でありますので、大切に母乳育児をされるとよいでしょう。
痛みやストレスを緩和させてくれる効果があります
ラクトフェリンには、痛みやストレスを緩和させてくれる効果があります。
脳の血管には血管脳関門があり、脳血管から脳へ入ってくる物質を脳の中に入って良い物質か、入って来てはいけない物質化を判断する機構があります。
そのため、血液中に含まれた様々な物質は簡単に脳の中に侵入することは出来ません。
血液中に含まれた毒性物質の侵入を防ぐことが出来るため、脳の中に有効な薬剤を送ることも出来ないのです。
これだけガードの堅い血管脳関門にも関わらず、母乳に含まれるラクトフェリンは特別に通過することが出来ます。
お腹の中から外の世界に出てきた赤ちゃんにとっては外の世界に出てきたことによって脳の中で様々なストレス負荷が一気にかかります。
そのため、不機嫌になるのですが、何らかの欲求が出ると泣き叫び続けます。
赤ちゃんが泣いているときは、不快を感じている時なのですが、そこで母乳をあげると赤ちゃんは自然に泣きやみます。
お腹を満たすことができる他にも、母乳に含まれているラクトフェリンが働き精神的な安定感や鎮痛効果をもたらしてくれるのです。
子供の健全な成長には必要不可欠な栄養成分です
ラクトフェリンは哺乳動物の母乳しか含まれていない大切なものです。
様々な病原菌やウィルスから守ってくれる抗菌作用、抗ウィルス作用があるため、赤ちゃんが健全に育成し続けることが出来ます。
腸内免疫細胞でもあるNK細胞の働きを活発化させる働きもありますので、子供の免疫力を上げ、様々な病原菌から守ってくれることが出来ます。
初乳には、ラクトフェリンが豊富に含まれているのですが、時間の経過とともに成分含有量は減少していきます。
母乳育児は出来るだけ長くした方が子供の脳の育成にもよい影響を与えると言われています。
授乳期間は、様々な病原菌から赤ちゃんを守ることが出来る上、赤ちゃんの知能や言語能力を高められのだとか。
離乳食が始まる頃になると、子供の身体機能も発達してくるため、自分の力で免疫力をつけていくことが出来ます。