「胃腸炎を予防するにはどうしたら良いのだろう?」
辛い胃腸炎にはかかりたくないですよね。
毎年流行するノロウイルスによる急性胃腸炎。手洗いやうがいをしっかり行っていてもなかなか完全に予防するのは難しいです。でも、体の内側から予防することができたら流行期も安心して過ごすことができますね。
そんなノロウイルスによる急性胃腸炎を予防することができると言われているのが「ラクトフェリン」です。
様々な機関でラクトフェリンについての研究が行われ、ノロウイルスによる急性胃腸炎の予防に効果があることが証明されました。
ラクトフェリンがどのように胃腸炎を予防するのかを知ることで、ノロウイルス流行期も元気に過ごすことができます。
今回は辛い急性胃腸炎の症状や治療法など、すぐに対応できるための知識に合わせ、ラクトフェリンの胃腸炎予防効果について詳しくご紹介します。
ラクトフェリンを上手に摂り入れ、元気な毎日が過ごせることを願います。
1 胃腸炎の原因と症状
胃腸炎とは胃が炎症を起こした状態のことを言います。胃腸炎を起こす原因はいくつかあります。まずは胃腸炎とはどのようなものなのか基本的なことを知っておきましょう。
1-1 胃腸炎の種類と原因
胃腸炎は大きく「ストレス性胃腸炎」と「慢性胃炎」、「感染性胃腸炎」の3つに分かれます。
ストレス性胃腸炎とは?
ストレス性胃腸炎は別名、神経性胃炎とも呼ばれるストレスが原因の胃腸炎です。
人はストレスを感じると脳が過度に刺激を受け、自律神経のバランスが乱れてしまいます。自律神経のバランスが乱れることで起こる症状の一つとして「胃酸の過剰分泌」があり、
必要以上に胃酸が分泌されることで、胃粘膜の強度が弱まります。
その状態で食べ物やアルコールが胃に入ると、胃粘膜が破壊され炎症を起こしてしまうのです。
ストレスという精神的な原因により引き起るため、人にこうつることはありません。
慢性胃炎とは?
文字通り、長期にわたり胃が炎症し慢性化している状態が慢性胃炎です
主な原因はピロリ菌と言われています。
普段は特に症状はありませんが、徐々に胃炎の範囲を広げ、胃がんや胃潰瘍、胃ポリープなどの胃の病気を引き起こす原因となることがあります。
感染性胃腸炎(ウイルス性胃腸炎)とは?
感染性胃腸炎の主な原因は細菌、ウイルス、寄生虫です。
これらの原因となるものが体内に侵入することで胃腸炎の症状を引き起こします。
いろいろなものが原因になりますが、特に多いのがウイルスによるものです。
★主な原因となるウイルス★
-
- ノロウイルス
- ロタウイルス
- アデノウイルス
- アストロウイルス
など
ウイルス性胃腸炎の特徴が「感染する」「感染力が強い」という点です。
ウイルスが付着した食べ物を食べることで感染します。
またウイルス性胃腸炎の人の便や吐瀉物に触れることでも感染してしまいます。
感染力が非常に強く一度流行すると集団で感染してしまうことが多いです。
幼稚園や学校で集団感染しやすく、また家族に一人がかかることで、他の家族にも容易に感染します。
ウイルス性胃腸炎の中でもノロウイルス、ロタウイルスによって発症するケースが大半を占めています。
毎年11~3月に流行する感染性胃腸炎のほとんどはウイルス性であり、その大半はノロウイルスによるものとされています。
今回はこの感染性胃腸炎、そして原因の大半を占めるノロウイルスとラクトフェリンの関係についてご紹介します。
1-2 主な症状
感染性胃腸炎の主な症状がこちら。
ノロウイルス
- 吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱
小児では吐き気、嘔吐の症状が多く、成人は下痢のケースが多いとされています。
潜伏期間は1~3日。有症期間は平均で24~48時間。個人によって差があります。
ロタウイルス
- 嘔吐、下痢、発熱
乳児の場合けいれんを起こすことがあります。
潜伏期間は1~3日。有症期間は平均で5~6日となっています。
感染しても発症しないケースもあります。
1-2 主な感染経路
ノロウイルス、ロタウイルスの主な感染経路は4つ。
経口感染
ウイルスに汚染された食品を食べることで感染します。ノロウイルスで特に多いのが牡蠣などの二枚貝です。ノロウイルスは熱によって死滅しますが、生またはしっかりと加熱していないものを食べた場合に感染します。
また、食品を取り扱う人(調理者や配膳者)が感染をしていて、ウイルスが付着した手で調理、配膳したものを食べた場合でも起こります。
飛沫感染
ウイルスに感染した人が吐瀉した時、周囲にいた人が飛沫したウイルスを吸い込むことで感染します。
接触感染
感染者の吐瀉物や便などに直接触れることで感染することもあります。
感染者が排便をした後、しっかりと手を洗わずにドアノブや電車のつり革などに触れ、それを介して移ることもあります。
空気感染
感染者の吐瀉物や便が乾燥するとほこりにウイルスが付着し空気中を漂います。
その空気を吸い込むことで感染します。
また、直接吸い込まなくてもカラダに付着したウイルスが最終的に口に入ることで感染することもあります。
トイレ、ドアノブ、電車のつり革・・・。ウイルスに感染する環境は常に身近にあります。
そのためどんなに気を付けていても感染してしまうのがウイルス性胃腸炎です。
1-3 検査、診断
感染性胃腸炎の疑いがある場合は病院で検査を受けられます。
いくつか検査方法はありますが大きく2つに分かれます。
簡易検査(イムノクロマト法)
便を採取し、検査キットを使いその中にウイルスが存在するか確認する方法です。15~20分程度で結果が出ますが、感度が低いためウイルスを保持していても陰性と判断されることがあります。
遺伝子検査
ノロウイルス遺伝子を100万倍に増やし検査する方法です。
感度が高いため見落とす心配はありません。
調理、保育、介護にかかわる人は遺伝子検査で陰性になることが必要とされています。
簡易検査で陰性になっても見落としている場合があるからです。
病院によっては検査結果が出るまで1週間ほどかかる場合があります。その間は仕事に携わることはできません。
最近では即日に結果を知らせてくれる検査機関も増えています。
1-4 治療法
細菌性の胃腸炎の場合、抗生剤が使われますが、抗生剤は細菌のみに効果があります。
ウイルスには効果がないためウイルス性の感染性胃腸炎の場合抗生剤は使われません。症状を抑えるための対症法が行われます。直接的な治療法はありません。
吐き気に対しては吐き気止め、下痢に対しては整腸剤、発熱がある場合は解熱剤といった風に症状に合わせた薬が処方されます。
また乳幼児や高齢者の場合、脱水症状を起こすことがあるため自身でも十分な水分補給をする必要があります。
2 ラクトフェリンと感染性胃腸炎
ノロウイルスやロタウイルスなどによる感染性胃腸炎は検査に時間がかかり、直接的な治療法もありません。
仕事への復帰に時間がかかり、辛い症状を抱えたまま数日を過ごさなければなりません。
生活の上で大きな負担となってしまうため、手洗いやうがい、生ものにはしっかり加熱するなどの対外的な予防は必須です。
それだけでは防ぎきれないのが現状ですが、体内から予防することで感染するリスクを大きく下げることはできます。
それを可能にしてくれるのが「ラクトフェリン」です。
3 ラクトフェリンのノロウイルス予防効果
ノロウイルスの予防効果があるとして注目されているのがラクトフェリンです。
ラクトフェリンがノロウイルスに対してどのように作用するのかを具体的にご説明します。
3-1 ラクトフェリンとノロウイルスが結合
ノロウイルスは、ウイルスが小腸の上皮細胞(消化管細胞)に侵入し増殖することで感染します。増殖したノロウイルスによって小腸が炎症を起こし下痢や腹痛を引き起こしたり、胃の運動神経を低下させ、吐き気や嘔吐などを引き起こしたりします。
ノロウイルスに感染しないためにはノロウイルスが上皮細胞に侵入するのを防ぐ必要があります。
そこで注目したいのが、ラクトフェリンの性質です。ラクトフェリンはノロウイルスの表面に結合する性質を持っており、ノロウイルスはラクトフェリンに表面に結合されてしまうと上皮細胞に侵入することができません。
その結果ノロウイルスは増殖できず、感染を防ぐことができると言われています。
3-2 ラクトフェリンと消化管細胞が結合
ラクトフェリンは小腸の上皮細胞自体にも結合する性質を持っています。
細胞の表面をラクトフェリンが覆いバリアの役割をし、ノロウイルスの侵入を防ぎます。
「ノロウイルス自体に付着し増殖を防ぐ」
「消化管細胞に付着し細胞に侵入するのを防ぐ」
ラクトフェリンはこの2つの作用によって細胞にノロウイルスが侵入するのを防いでくれるのです。
3-3 免疫力アップ
ラクトフェリンはカラダを細菌やウイルスから守る免疫細胞(ナチュラルキラー細胞)の働きを高める作用を持っています。
免疫細胞とは、体内に侵入した細菌やウイルスを破壊してくれる細胞のことです。
ラクトフェリンによって免疫細胞が活性化することで、免疫力がアップしノロウイルスに負けないカラダを維持することができます。
また、免疫力がアップすることでノロウイルスだけでなく、インフルエンザや風邪、がんなどの病気も予防することができます。
4 発症してしまった時も効果アリ!?
4-1 下痢の症状を軽減
ノロウイルスの症状の一つが激しい下痢です。1日に何度もトイレに駆け込む辛さに加え、脱水症状を引き起こしてしまうこともあります。
ラクトフェリンは発症後の下痢を軽減する作用もあるため、予防だけでなく、発症後の症状の軽減にも効果があると言われています。
4-2 ウイルスの排出期間の短縮
ノロウイルスは感染してから体外に排出されるまで長くて1か月かかるとされています。その間に感染者から排出された便はノロウイルスを汚染されているため、触れることで二次感染を引き起こします。
しかし、ラクトフェリンはノロウイルスの排出期間も短縮する作用もあるとされていますから、ノロウイルスの排出期間が短縮されることは二次感染の拡大を防ぐことにつながります。
ラクトフェリンは発症後もノロウイルスに対して効果があるため、もし発症してしまったとしても摂り続けると良いでしょう。
5 胃腸炎予防に効果的なラクトフェリンの摂り方
ノロウイルスによる胃腸炎を予防するためにラクトフェリンは効果的ですが、ただ適当に摂るのであれば効果は薄くなってしまいます。
しっかりと予防するためにラクトフェリンを摂る際のポイントをまとめました。
5-1 毎日継続して摂る
ラクトフェリンの効果が持続するのは約24時間と言われています。
24時間を過ぎてしまうと効果が薄くなるため、毎日継続して摂るようにしましょう。
飲むタイミングを決めておくと良いですね。朝起きたら飲む、就寝前に飲むなど習慣づけておくのがおススメです。
5-2 空腹時に摂る
ラクトフェリンは熱と酸に弱いです。
食後や胃に物が入っている場合、胃酸が多く分泌されるため胃酸で分解されてしまうことがあります。
胃酸の分泌が少ない空腹時に摂りましょう。
5-3 腸まで届くものを選ぶ
ノロウイルスを予防するためにはラクトフェリンが小腸まで届く必要があります。
ラクトフェリンの商品として代表的なのはヨーグルトとサプリメントです。
ヨーグルトはお菓子感覚で食べられる利点がありますが、胃酸で分解されやすいです。
そのため小腸へ届かずノロウイルス予防効果は薄いかもしれません。
そうなるとサプリメントを選んだほうがよさそうですが、サプリメントも商品によっては胃酸で溶けやすい形状のものもあります。
サプリメントを選ぶ際には腸溶性または耐酸性のものを選びましょう。
5-4 1日300㎎が目安
ラクトフェリンの効果が期待できる最低ラインは1日150㎎、推奨量は1日300㎎とされています。
ノロウイルス予防を目的とするのであれば、1日300㎎を目安に摂るようにしましょう。
6 まとめ
毎年流行するノロウイルスによる感染性胃腸炎。
感染力が強いため家族の一人がかかってしまうと一気にみんなが感染してしまうことも・・・。
ラクトフェリンを摂り、ノロウイルスを予防しましょう。
今回の記事を読んでくださった方々が、今年の流行期は健康に元気に過ごせることを願います。